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顔面神経麻痺

顔面神経麻痺にかかった場合は、西洋医学による治療と並行して初期段階から鍼灸治療を受けられることをお勧めいたします。

顔面神経麻痺について

顔面神経麻痺は治療出来る期間が限られれた病気です。

顔面神経麻痺の病状については、ネットその他で色々と書かれていますが、上記のような肝心なことを見落としがちですので、まず初めに知っておく必要があります。

治療出来る期間を過ぎると、顔面神経麻痺の予後は大きく3つにわかれます。

  • その期間内に完全に治癒する方
  • 顔をよく見ても、接していてもほとんどわからないが、少し後遺症が残る方
  • 一見分かり難いが、笑ったりするとゆがみがわかり、かなり後遺症が残る方

このことを念頭にして治療の出来る期間内にしっかりと治療をすることがとても大切なことです。

顔面神経と顔面神経麻痺について

顔面神経は3つの役割を持っています。

顔の表情を動かす。運動神経

涙や唾液を出す。副交感性の分泌繊維。(上唾液核から出る)

  • 涙が出すぎる
  • もしくは食事時に出る

といった形で困らせます。

(膝神経節から出て鼓索神経、味覚神経となる(舌前3分の2に分布しています))
※味覚異常は比較的早く消退するケースが多いですが、この場合は膝神経から味覚神経を真に侵されたものではなく、圧迫や浮腫などによる一時的な味覚異常と考えられます。

顔面神経は脳(橋と延髄椎体の間)から出ている。12対の末梢神経の中の一つです

顔面神経は内耳神経とともに内耳道に入り,途中で内耳神経と分かれて顔面神経管に入ります。
顔面神経膝で曲がって後,茎乳突孔から外頭蓋底に出ます。茎乳突孔から出た顔面神経は,耳下腺中で耳下腺神経叢を作り、顔面筋,頭蓋筋などに分布します。顔面神経管下部でアブミ骨筋神経が分かれてアブミ骨筋に入ります。

顔面神経麻痺は脳から顔面に至るまでの、顔面神経の経路上のどこかに障害が起きて出る病気です。

症状と特徴

顔面神経麻痺の症状

  • (内耳道部・聴神経の障害は)難聴、耳鳴り、眩暈などが現れる
  • (膝部・膝神経節とそれより中枢側、大椎体神経の障害は)涙腺の分泌障害によって目の乾燥が現れます
  • (膝部・アブミ骨筋神経より中枢側の障害は)聴覚過敏や独特の耳鳴りとなる
  • (乳突部・鼓策神経合流部より中枢側の障害は)舌前3分の2の味覚障害や唾液分泌障害が現れます。
  • (茎乳突孔より抹消の運動神経<運動枝のみ>の障害は)表情筋の麻痺として現れる
  • 前頭筋が麻痺することで、額にシワ寄せが出来なくなります。
  • 眼輪筋が麻痺した為に、兎眼となります。
  • 口輪筋が麻痺した為に、口角から水がこぼれるようになります。
  • 広頚筋の収縮欠如がみられ、頚部の血流障害により痛みを訴えるケースがあります。
  • 涙管のポンプ作用を司る眼輪筋やHorner筋が麻痺した為に、流涙過多となります。

顔面神経麻痺の前駆症状

いきなり顔面神経麻痺になってしまったというケースもありますが、よくお聞きすると顔面神経麻痺になる数日前に以下のような体の状態だったことが多くみられます。

  • 風邪をひいていた
  • 熱があった
  • 顔にヘルペスのようなものができた
  • 耳の周囲が痛かった
  • 疲れていた

顔面神経麻痺に気づくきっかけ

顔面神経麻痺という病名は、病院にかかって診断されてから後の話ですが、それ以前に顔面神経麻痺になったと最初に気づくきっかけの症状は以下のようなことが多いです。

  • 歯磨きをしていてうがいがし難い
  • 口元から水がこぼれる
  • 食べにくい
  • しゃべりにくい
  • 顔の動きがおかしい
  • 家族や他人から顔がおかしいと指摘される
  • 鏡をみておかしさに気づく

これらの症状は時間経過とともにさらにひどくなってきます。

原因

中枢性の顔面神経麻痺

脳梗塞や脳出血・脳腫瘍など橋部にある顔面神経核より中枢側で傷害されたものです。
顔面神経の第一次ニューロンの障害(核上性麻痺)によって顔面神経麻痺症状となったものです。
中枢性顔面神経麻痺の特徴は額のシワをよせることが出来ることです。前頭部は左右両側の顔面神経から支配を受けており、片側の核上麻痺だけでは麻痺症状は出ません。

末端の神経麻痺

顔面神経核またはそれよりも抹消側に障害があるものを末梢性(核下性)顔面神経麻痺と言います。
患側の額のしわ寄せが出来ません。

特発性 Bell(ベル)麻痺 (原因が特定出来ない顔面神経麻痺)

顔面神経麻痺の60%をしめると言われています。ベル麻痺の自然治癒率は71パーセントのデータが示されています。
原因は虚血説、リュウマチ説、自己免疫説、血管による圧迫説、単純ヘルペス説などと言われています。その誘引として寒冷ないし風の暴露、上気道炎、副鼻空炎、糖尿病、疲労、ストレスなどが考えられます。

現在ベル麻痺の原因として最も有力視されているのが、ヒト単純ヘルペスウィルス(HSV−1)による再活性説です。若年時に口唇や口内炎などで単純ヘルペスに罹り、そのまま顔面神経節に潜伏していたウィルスが、疲労やストレス、寒冷などで再活性化し、神経の炎症による浮腫が顔面神経管を圧迫して顔面神経麻痺を発症させるというものです。

Ramsay Hunt(ラムゼイ・ハント)症候群

顔面神経麻痺の15%を占めると言われています。ラムゼイ・ハント症候群の自然治癒率は40パーセントのデータが示されています。
帯状疱疹ウィルスの再活性化が原因と言われています。膝神経節に水痘・帯状疱疹ウィルスが感染して起こります。

顔面神経の他に第8脳神経(内耳神経)の障害を合併しやすくなります。耳介、外耳道に神経痛様の痛みがあり1週間以内に発赤、小水疱が発生し顔面神経麻痺となるという過程をたどります。
内耳神経症状として耳鳴り、難聴、眩暈、平衡障害、悪心嘔吐、眼振等がありこれらの症状は2週間ほどで消失します。
帯状疱疹なしに神経痛様疼痛と麻痺を伴うものを不全型といいます。予後はベル麻痺よりは良くないと言われています。

臨床では痛みを伴わないで発疹のみであったり、耳下腺部の腫れと痛みだけがあったものもハント症候群と診断されているケースがあります。西洋医学の臨床ではウィルス関与かどうか、ハント症候群と診断のつかないケースでも抗ウィルス薬が出されることが多くあります。

その他

頭頚部の外傷(6%)や中耳性(真珠腫、中耳炎など4%)、手術損傷(3%)腫瘍による顔面神経麻痺なども顔面神経麻痺になる原因としてあります。

予後の判定

顔面神経麻痺を発症して2週間時点で柳原40点評価法の麻痺スコアが10点以上なら不全麻痺。8点以下の場合完全麻痺として予後不良と判定します。

  • 20点以上あれば1ヶ月以内で完治と予測
  • 20点以上あれば4ヶ月以内で完治と予測
  • 20点に達しなければ4ヶ月以後に病的な共同運動が出ることが予測

病院で電気生理学的検査をして、例えば
ENoG(Electroneurography){茎乳突孔部で神経幹を刺激して患側と健側の振幅比で機能の予後を診断する}場合で10%以下の場合は予後不良と考えられています。

麻痺発症時点では
味覚鈍麻、聴覚過敏、涙の分泌低下、頚部の痛みを訴える場合も予後不良と考えられていますが、早期に消退する場合は、損傷部からの一時的な影響と考えられ、上記の症状がどれだけの期間続くかで予後判定ができます。

表情筋の動きが悪いから麻痺の程度が強いとは言えません。

末梢神経の軸索と髄鞘の崩壊(Waller変性)の程度によって決まり、Waller変性が神経線維を広く侵せば後遺症が残ると考えられ、病的な共同運動が出ることはWaller変性(軸索断裂)から神経混線になっていると考えられます。

ただし病院や診療所によっては、顔面神経麻痺の点数評価や電気生理学的検査をされないところがあります。顔面神経麻痺の重度を判定することは予後と大きく関係し、早期の指導が後遺症状の有無と直結します。顔面神経麻痺の重度評価を行い、後遺症の説明と指導がされる医療機関を受診されるようお勧めします。

後遺症

顔面神経麻痺が発症して、4ヶ月前後から以下のような後遺症が出てきます。

病的共同運動

眼と口が連動して動く病的な共同運動が出現することがあります。瞬きをすると口角がピクピクと動いたり、話したり食べたりする動作時に目が細くなったりする神経の混戦による症状です。

顔面筋の拘縮

患側顔面の筋が持続的に収縮した為に起こります。顔面神経の再生神経の数が少ない為に起こり、安静時にも顔が非対称に見えたり、鼻唇溝(豊麗線)が深く見えたりします。

顔面痙攣

口や目の周囲に局所的に軽度の痙攣が出現する場合があります。

ワニの涙目

食事中に多量の涙が出る現象を言います。涙腺へ行く神経と唾液腺へ行く神経が混線して起こる症状です。

アブミ骨筋性耳鳴り

目を閉じたり口を開閉するなど顔の表情筋を動かすと、アブミ骨筋が収縮して耳閉感や耳鳴りが出現する症状です。これも筋肉に伝わる神経の混戦が原因で起こる症状です。

末梢性の顔面神経麻痺では知覚障害が残存することはほとんどありません。

病院での治療法

ステロイドの投与、ビタミン剤、循環改善剤、血管拡張剤、星状神経節ブロック、ハント症候群の場合は抗ウィルス剤が投与されます。

(手術)顔面神経の減荷手術も行なわれます。
顔面神経麻痺に対する手術対象は予後不良。すなわち顔面神経麻痺発症後3週間時点で、40点評価法で8点以下。電気生理学的検査法(ENoG)で10%以下の数値を目安に おこなわれているようです。

顔面神経麻痺に対する病院での治療としては、発症初期のステロイド治療と、抗ウィルス治療が終われば積極的な治療は無くなると言っていいかもしれません。

鍼灸施術の効果

同一人物で鍼灸施術を受けた場合と受けなかった場合の結果を比べることは出来ません。しかし病院に通院している方の顔面神経麻痺評価点数が停滞していて、鍼灸施術を開始してから点数が上がり出すことは全ての症例に共通します。

例えば現在通院中の患者様で、顔面神経麻痺発症から10ヶ月経って、症状が良くならないと言うことで当院を受診されました。その時点の顔面神経麻痺評価点数が40点満点の18点でした。が1ヶ月後22点、2ヶ月後24点、3ヶ月後26点と3ヶ月で8点上がっています。

発症から10ヶ月も経つと点数の上昇はなかなか見込めなくなりますので、この数字は客観的に評価できる数字だと考えております。

また症例上から参考になるものを掲載します。

「顔面神経麻痺に対して確実に鍼灸治療の効果を物語る症例 33才 男性」

詳しくは顔面神経麻痺症例

上記症例は、2ヶ月半の鍼灸施術ブランクがあり、ブランク中、病院での顔面神経麻痺治療は継続しております。にも関わらずブランク前後の顔面神経麻痺評価点数が同じであり、鍼灸施術を開始してから症状の改善がみられた症例です。

実際には点数よりも後遺症の方がさらに大きな問題であり、重症度によっては後遺症で生涯悩むことになります。この後遺症の治療になると西洋医学ではさらに難しいのが現状です 。

顔の筋肉の筋張りや痙攣などの変化など、実際に医師も3ヶ月に1度の数分の診察ではわかりませんし、治す手段がありません。

後遺症による顔の筋張りや硬結、痙攣などの細かな変化と改善手段は。PTを含め 鍼灸施術の独壇場にあります。

当院での治療法

顔面神経麻痺に対する当院の特徴

当院での最も大きな特徴は、沢山の顔面神経麻痺の患者様を診させていただき、様々な臨床経験や、学習をさせていただいてきたことで、顔面神経麻痺の重度さと、現在の状態の特徴、今後どう推移するか。何をしたらだめなのか。現在鍼灸施術ではどこに対してどんな治療法をするべきか。予後の判定、と言ったことが概ね判ること。
そして、あらかじめ予想できる後遺症を、最低限におさえこむことが出来ることでしょう。

施術方法は、鍼灸施術と遠絡療法、顔面の運動とマッサージを、先程書いたように、顔面神経麻痺の進行状況と、お一人お一人の既往歴やアレルギーや糖尿病と言った現病歴などに応じておこないます。

施術の流れ

初診時は予診表をまず書いていただき、それを本に質問をさせていただきます。それから顔面神経麻痺評価点数をつけ、現在の状態と治療の説明、今後の推移予想などをさせていただきます。それから治療ベッドに横になっていただき、東洋医学の診察法である、脈診、腹診、切経(触診)などをいたします。

後遺症が予想される患者様は、日常の話し方、食べ方、顔の運動法、マッサージ法など、この時点から後遺症予防が必要となります。

治療は主に鍼灸施術と遠絡療法をおこないます。
どちらも全身にある経絡(ツボとツボを結ぶライン)を利用した治療法ですので、顔の治療であっても手足背中などにも治療をいたします。

最後に顔のマッサージをおこないます。

治療時間は1時間ほどかかりますから、初診時は問診などと合わせて2時間近くかかります。時間に余裕を持ってご来院下さい。

鍼灸施術

使用する針は、顔面神経麻痺の場合は、一番短くて細い0,12mmの髪の毛ほどの、毛針(もうしん)と言う針を使用します。

鍼治療は、顔と顔周囲にもしますが、その場合痛いと思われる鍼はいたしません。 また、顔と関連した手や足にも鍼をします。遠慮せず痛ければすぐに痛いといってください。 ちなみに鍼灸施術中は気持ち良くて寝ておられる方が大半です。ご安心下さい。

お灸

お灸は顔面神経麻痺の場合しないことが多いですが、脈の状態などで、するほうが効果が高いと判断した場合、必ず説明させていただいてから行います。温めることで、局所および全身の循環を良くし、神経や血管などの再生を促進する目的でおこないます。

お灸と言ってもせんねん灸のような痕が着かない灸で、小学生にも使用しているものです。ご安心下さい。

後遺症を見越した施術

後遺症が出ないと思われる場合は、治療は顔面神経の経路(ツボとツボを結ぶライン)上の、血液やリンパなど(東洋医学ではこれらの流れを総称して気血と言います)の循環改善をおこなうことで、弱った神経を修復再生させることを目的とした鍼灸施術をおこないます。低周波などの電気はやり方によって、後遺症を助長しかねませんので使用いたしません。

後遺症が出ると予想される場合は、後遺症の進行を抑え、顔面神経麻痺になった原因にあたる、疲労やストレス、内臓の弱りや体の歪み、水分代謝や冷えなどに対する体全体の修復を併せて行います。

本治法と標治法について

本治法は経絡という体全身にあるツボを利用した体のバランスそのものを正常に整える 為の治療です。

標治法は顔や肩、首、後頭部などの麻痺と直接関連する部分に対して、治療を行なうものです。 上記二つの治療を組み合わせることがとても大切で、東洋医学の基本と言えます。

これに前記のように発症後の時期により後遺症の前と後での治療を異なっておこないます。

遠絡療法

脳から内耳を経て顔へ到る顔面神経経路に対して遠絡療法を行います。

遠絡療法は手や足などの脳と関連したツボへ、指や遠絡療法の専用棒やマイナスイオンなどを使って刺激を与えます)

目に見えない部分の治療ですが、回復の決め手となる治療です。

顔の表情筋運動と顔のマッサージ

表情筋の運動とマッサージは、間違ったやり方をすると、共同運動や筋肉の短縮などの後遺症を強く出してしまいます。後遺症が出ないよう、顔の表情筋運動とマッサージのパンフレットをお渡しした上で、ご自宅でまたは職場でのリハビリ指導を早い段階からさせていただきます。施術の最後に顔のマッサージは施術室でさせていただきます。

鍼灸施術の開始時期

顔面神経麻痺発症から10日前後のステロイド点滴が終了する辺りを目安にしてくだ さい。もちろん入院している方は退院後。服薬治療をされている方は服薬を続けながら、 発症から10日後あたりから鍼灸施術を開始してください。

これはウィルスによる浸潤や炎症によって、顔面神経麻痺症状がピークを迎えた時期にあたります。顔面神経麻痺症状が軽症の方なら、この時点で症状は緩解に向かっています。

※後遺症が予想される患者様は早期から後遺症の予防をする為の日常の指導と、早期の回復を促す鍼灸治療が必要です。
※発症4ヶ月前後の後遺症時期になってからは、筋の短縮や、浮腫、硬結、痙攣、つっぱりなどへの対処に鍼灸治療は必須です。

治療を受ける間隔

基本的には週2回の治療をお勧めします。例えば医師から処方されるお薬でも朝晩一日2回と言ったように定期的な服薬が積み重なって効果が現れてきます。それと同じで、当院で治療を受けて一旦改善されても時間が経過すると効果が薄れてきます。そこで治療を積み重ねることで 効果の継続と改善がみられるのです。

(週2回連日の治療をしてあと5日空いても積み重ね効果の持続が見られるのも判ってきました)

もちろん地理的な関係や様々な要素で週2回の受診は難しいと言う方もおられます。最低週1回の治療でも効果はあります。
定期的、継続的に治療を受ける場合と治療間隔が開くまたは不定期の受診の積み重ね効果の差異は実際の臨床例にハッキリ現れてくるのも事実です。以下2つの症例を比べてみれば治療間隔と予後とに関わりがあることが少し理解されるかと思います。

※具体的な治療間隔は顔面神経麻痺症例をご覧ください。

重症度によっては治療期間が長くなりますから金銭的負担も大きくなります。
保険の条件に適合して保険が扱えるようなら考慮するべきだと思います。

後遺症を見越した施術

後遺症が出ないと思われる場合は、治療は顔面神経の経路(ツボとツボを結ぶライン)上の、血液やリンパなど(東洋医学ではこれらの流れを総称して気血と言います)の循環改善をおこなうことで、弱った神経を修復再生させることを目的とした鍼灸施術をおこないます。低周波などの電気はやり方によって、後遺症を助長しかねませんので使用いたしません。

治療を受ける期間

まず顔面神経麻痺の治療期間は重度さによって違いが生じます。その中には完全に治癒する方と完全に治りきらず一生後遺症が残る患者様もおられます。この差は顔面神経繊維の破損の程度であり、次に破損箇所の差異、そして水分代謝やアレルギーの有無に関わるのではと考えております。

1ヶ月から2ヶ月以内で治癒する軽症例

軽症例では耳鼻科でステロイド治療を終えたが治りが不安で来院されるケースが多くあります。しかし実際に診てみると現在は症状として残っていても心配がない例です。この場合長くみても2ヶ月以内に完治すると思われ、場合によっては、あれだけ歪んでいた顔が治療翌日に治ってしまったという経験をしています。

4ヶ月以内に治る軽症よりも少し重いタイプ

顔面神経麻痺中度では、軽度よりも重いタイプと重度に近いタイプの幅があります。
4ヶ月以内に治ることが予測されるが後遺症も出る例です。この後遺症状は本人も気付かない程度のもので、やがて落ち着いて判らなくなってきます。 1年ぐらいでほぼ治るタイプ。もしくは外見上はわかりにくいが後遺症が残るタイプ。

顔面神経麻痺でも中度から重度に近い、もしくは重度の症例

10年前に顔面神経麻痺なって治っていない高齢者や、幼児期になって未だに笑うと顔がグニャッと歪む20代の若者が来院したりします。これは顔面神経繊維の随核もしくは髄鞘まで破壊され治癒に時間がかかったことや、適切な治療がなされなかったり、アレルギーや水分代謝異常などの体質的な原因が関与したと思える症例です。

日常の過ごし方

入院時を除き、顔面神経麻痺発症前と変わらない生活スタイルで、仕事や家事が続けられるのならそれに越したことはありません。
美容院に半年間行けなかった。という方の気持ちはよく理解できます。
しかしマスクをして仕事や家事を優先し、治療が後回しになるのなら考えものです。
顔面神経麻痺の中等度から重度の場合は、何よりも治療を優先させるべきだと思います。

顔面神経麻痺は治療期間が限られた病気です。仕事を優先して一生後遺症を残すのは悔やまれます。
また逆に、顔面神経麻痺に罹患すると、人に会えず家に閉じこもりがちになる方もおられます。こういった方の気持ちも理解できますが、病気とは字の如く、気持ちがうっ滞することから始まります。

必ず良くなります。安心して治療をお受け下さい。

参考文献
医道の日本誌2011年6月号 鍼灸クリニカルレポート
著者 埼玉医科大学 新井千枝子 山口智
顔面神経分岐図  慶応技術大学医学部解剖学教室 著者 船戸和弥
栢森良二 顔面神経麻痺リハビリテーションの新しい展開

顔面神経麻痺に関するQ&AQ&A at facialnervepalsy

A. 耳鼻科のある大きな病院にかかって下さい。

お近くの耳鼻科にかかると、顔面神経麻痺とわかっていても、念のためCT等の検査機器のある病院に紹介状を書かれることが多いです。
ただし紹介状も無くて初めから大病院を受診すると、別途初診料金を請求されますから、一旦お近くの耳鼻科を受診されて、紹介状を書いていただいて大病院を受診するのが良いようです。

(参考までに)
運悪く休日に顔面神経麻痺になって病院が休みということもありますが、一旦救急病院にかかり、そこからの紹介で病院の耳鼻科を受診されるケースもあります。

A.

  • 歯磨きをしていてうがいがし難い
  • 口元から水がこぼれる
  • 食べにくい
  • しゃべりにくい
  • 顔の動きがおかしい
  • 家族や他人から顔がおかしいと指摘される
  • 鏡をみておかしさに気づく

これらの症状は時間経過とともにさらにひどくなってきます

A. 前駆症状)いきなり顔面神経麻痺になってしまったというケースもありますが、よくお聞きすると、顔面神経麻痺になる数日前に以下のような体の状態だったことが多くみられます。

  • 風邪をひいていた
  • 熱があった
  • 顔にヘルペスのようなものができた
  • 耳の周囲が痛かった
  • 疲れていて顔に違和感があった

A. 耳鼻科にかかるのは、顔面神経麻痺は一般的に耳鼻科が扱うことが多いという理由です。 脳神経外科や脳神経内科などでも問題ありません。要は、かかった病院の担当医が顔面神経麻痺についての知識と経験が深く、病状や後遺症についての説明など丁寧にしてくれて安心できる病院であればいいと思います。

病院によっては顔面神経麻痺についての重度評価点数も電気検査もなにもせず、発症から数か月経ても後遺症の説明すらしない所も、過去にはありました。

顔面神経麻痺症状が軽度ならそれでも短期間で治癒するので問題は無いかもしれません。しかし顔面神経麻痺後遺症が出ることが予想されれば、重症度がわかった時点で後遺症の説明と予防法、日常の注意点などを患者様に説明することがとても大切なことです。

A. 顔面神経麻痺でも、単純ヘルペスが原因と言われているベル麻痺は、治療しなくても7割が治る。

またハント症候群と言って、水痘帯状疱疹ウィルスが原因の顔面神経麻痺は4割程度が治療しなくても治ると言われています。
しかし顔のゆがみだけでは重症度の判断は医師でも難しいですから、病院にかかられたらいかがでしょうか。

A. テロイド点滴、ステロイド服薬、ブロック注射、、抗ウィルス剤、ビタミン剤などの服薬、顔の運動、顔のリハビリなどです。
重症度から即日入院となるケースもありますし。

同じような重症度でも通院だけで入院は言われなかったケースもあります。
同様に同じような重症度でも大量のステロイド点滴をするケースと、内服のみの場合があります。この差はよく判りませんが、薬の有効性や、適切な投与量のエビデンスが未だ確立していなのかもしれません。

検査としては、CT検査、MRI検査、血液検査などを行い、脳やアレルギー、ウィルスなどを調べるかと思います。
入院の場合は10日間ぐらいが多いです。

A. たしかにそうですね。医師もそう考えていて長期間の投与はしないようです。
また感染症や、糖尿病、肝機能、腎機能障害などがある場合は投与をしないケースがあります。
ただし顔面神経麻痺も重度だと一生後遺症が残りますから、ステロイドは発症時に炎症や浮腫と進行を抑える効果が期待され、現時点では私も必要と考えています。

A. ステロイド治療が終われば西洋医学による大きな意味での積極的な治療はなくなります。あとはウィルス性のものなら抗ウィルス薬が継続されますが、それも比較的早く中止になり、その後はビタミンB12などのビタミン剤が継続して出されます。

病院の診察はその後、月に1回、さらに3ヶ月に1回程度になります。それも数分間状態を見るだけで、治療はありません。

(ブロック注射については、当院の症例がいずれも後遺症が出る重度の方のケースで、回復力がステロイドに比べ思わしくありませんでした。ブロック治療が自然治癒力等に影響が出るのか。リハビリ等まったく別の問題なのか、検証中です。)

A. 軽度の方は間違った方法で熱心にやると、かえって後々に後遺症を招きかねませんから、放っておくほうがきれいに治癒します。

中度から重度の方は、発症初期に耳周囲に炎症や痛みのある時期を除いて、早い段階から顔の表情を動かしたりマッサージをすることがとても大切です。 ※ 医師やPTから注意されていると思いますが、顔の動かし方やマッサージの仕方にはルールがあります。ルールに従い正しく行なってください。

基本はマッサージはこまめにおこなってください。表情筋運動は、目と口とを同時に動かさないように注意をしてください。

A. 必ず受けて下さい。
同一人物で鍼灸施術を受けた場合と受けなかった場合の結果を比べることは出来ません。しかし病院に通院している方の顔面神経麻痺評価点数が停滞していて、鍼灸施術を開始してから点数が上がり出すことは全ての症例に共通します。

(例えば現在通院中の患者様で、顔面神経麻痺発症から10ヶ月経って、症状が良くならないと言うことで当院を受診されました。その時点の顔面神経麻痺評価点数が40点満点の18点でした。が1ヶ月後22点、2ヶ月後24点、3ヶ月後26点と3ヶ月で8点上がっています。

発症から10ヶ月も経つと点数の上昇はなかなか見込めなくなりますので、この数字は客観的に評価できる数字だと考えております。

また症例上参考になるものものも掲載しております。
「顔面神経麻痺に対して確実に鍼灸治療の効果を物語る症例 33才 男性」

上記症例は、2ヶ月半の鍼灸施術ブランクがあり、ブランク中病院での顔面神経麻痺治療は継続しております。にも関わらずブランク前後の顔面神経麻痺評価点数が同じであり、鍼灸施術を開始してから症状の改善がみられた症例です。

実際には点数よりも後遺症の方がさらに大きな問題であり、重症度によっては後遺症で生涯悩むことになります。この後遺症の治療になると西洋医学ではさらに難しいのが現状です。
顔の筋肉の筋張りや痙攣などの変化など、実際に医師も3ヶ月に1度の数分の診察ではわかりませんし、治す手段がありません
後遺症による顔の筋張りや硬結、痙攣などの細かな変化と改善手段は、鍼灸施術と遠絡療法の独壇場にあります。

A. 顔面神経麻痺発症から10日前後のステロイド点滴が終了する辺りを目安にしてください。もちろん入院している方は退院後。服薬治療をされている方は服薬を続けながら発症から10日後あたりから鍼灸施術を開始してください。

これはウィルスによる浸潤や炎症によって、顔面神経麻痺症状がピークを迎えた時期に あたります。 顔面神経麻痺症状が軽症の方なら、この時点で症状は緩解に向かっています。
後遺症が予想される患者様は、日常の話し方、食べ方、顔の運動法、マッサージ法など、この時点から後遺症予防が必要となります。

A. 初診時は予診表をまず書いていただき、それを本に質問をさせていただきます。それから顔面神経麻痺評価点数をつけ、現在の状態と治療の説明、今後の推移予想などをさせていただきます。それから治療ベッドに横になっていただき、東洋医学の診察法である、脈診、腹診、切経(触診)などをいたします。

治療は主に鍼灸施術と遠絡療法をおこないます。どちらも全身にある経絡(ツボとツボを結ぶライン)を利用した治療法ですので顔の治療であっても手足背中などにも治療をいたします。
最後に顔のマッサージをおこないます。

治療時間は1時間ほどかかりますから、初診時は問診などと合わせて2時間近くかかります。時間に余裕を持ってご来院下さい。

・鍼灸施術
施術に使用する鍼は、顔面神経麻痺の場合は一番短くて細い0.12mmの髪の毛ほどの鍼を使います。鍼は顔と顔周囲にもしますが、その場合痛いと思われる鍼はいたしません。また、顔と関連した手や足にも鍼をします。遠慮せず痛ければすぐに痛いといってください。ちなみに気持ち良くて寝ておられる方が大半です。ご安心下さい。 お灸は顔面神経麻痺の場合しないことが多いですが、脈の状態などでするほうが効果が高いと判断した場合、必ず説明させていただきます。お灸と言ってもテレビで宣伝しているせんねん灸のような痕が着かない灸で、小学生にも使用しているものです。ご安心下さい。

・遠絡療法
遠絡療法は治療対象の経絡と関連した別の経絡を使って、鍼は使わずに手で押したり専用の押し棒を使ってする治療法です。
顔面神経は脳からの末梢神経ですから、脳の延髄や橋あたりから顔面神経を通り顔に分布する流れと、関連した経絡に遠絡療法をおこないます。顔に治療するわけではありませんからご安心下さい。

顔面神経麻痺と言う病名は同じでも、患者様お一人お一人体質、年齢、体格全てが違いますから、それらに合わせて施術はおこないます。
また発症初期と、後遺症が出る頃とは状態も変わってきますので、今までの経験上施術方法や重点もそれに合わせて変わります。40年間臨床をしてまいりましたから安心してお任せ下さい。

A. 基本的には週2回の治療をお勧めします。
例えば医師から処方されるお薬でも朝晩一日2回と言ったように定期的な服薬が積み重なって効果が現れてきます。それと同じで、当院で治療を受けて一旦改善されても時間が経過すると効果が薄れてきます。そこで治療を積み重ねることで効果の継続と改善がみられるのです。
(週2回連日の治療をしてあと5日空いても積み重ね効果の持続が見られるのも判ってきました)
もちろん地理的な関係や様々な要素で週2回の受診は難しいと言う方もおられます。最低週1回の治療でも効果はあります。
定期的、継続的に治療を受ける場合と、治療間隔が開くまたは不定期受診の場合とでは、積み重ね効果の差異は実際の臨床例にハッキリ現れてくるのも事実です。

以下2つの症例を比べてみれば治療間隔と予後とに関わりがあることが少し理解されるかと思います。
「医師から顔面神経麻痺の手術を勧められ予定日まで告げられ、迷いながら来院された顔面神経麻痺症例 44歳 男性」
「顔面神経麻痺後遺症の進行に大きく関与する条件を、改めて再確認した顔面神経麻痺症例 57歳 男性」

A. 顔面神経麻痺の治療期間は重度さによって違いがあります。
もちろん全員が完全に治癒する方ばかりではありません。

発症から4ヶ月も経てば後遺症が出てきます。ですから完全に治りきらず一生後遺症が残る患者様もおられます。顔面神経麻痺と言う病気は、治療できる期間が限られている病気なのです。

この差は顔面神経の損傷の程度差であり、次に損傷箇所の差異、そして水分代謝やアレルギーによる神経浮腫や細胞の炎症の有無に関わるのではと考えております。
(顔面神経麻痺症状の詳細は上記の解説をご覧下さい)

それに加えて、患者様の来院状況も差として現れてきます。

・軽症例
1ヶ月から2ヶ月以内で治癒するのは軽症例です。一般には顔面神経の脱髄によるタイプです。
軽症例では耳鼻科でステロイド治療を終えたが治りが不安で来院されるケースが多くあります。しかし実際に診てみると現在は症状として残っていても心配がない例です。
大抵の場合は長くみても2ヶ月以内に完治すると思われます。実際の臨床では、前日あれだけ歪んでいたのに、治療翌日に治ってしまったという経験をしています。

・中等度の症例 4ヶ月以内に治る少し重い状態で、一般には軸索断裂によるタイプです。
顔面神経麻痺中度では、軽度よりも重いタイプと重度に近いタイプの幅があります。
4ヶ月以内に治ることが予測されるが後遺症も出る例です。この後遺症状は本人も気付かない程度のもので、やがて落ち着いて判らなくなっていきます。

・顔面神経麻痺でも中度から重度に近い、もしくは重度の症例
一般には神経断裂によるタイプです。
1年ぐらいでほぼ治るタイプ。もしくは外見上はわかりにくいが後遺症が残るタイプ。もしくは見た目でもゆがみがわかるタイプです。

10年前に顔面神経麻痺になって今も一目でわかる方。幼児期になった顔面神経麻痺により、未だに笑うと顔がグニャッと歪む若者が来院したりします。これは顔面神経が断裂したために、再生する課程で神経の混線が起こってしまったこと。適切な時期に適切な治療がなされなかったこと。アレルギーや水分代謝異常などの体質的な原因が関与していたことなどが原因で、後遺症が大きく残ってしまったことです。このように時間経過して後遺症状の出ている顔面神経麻痺を陳旧性顔面神経麻痺といった言葉で表したりしています。

A. 顔面神経麻痺は重症度の違いによって治るスピードや範囲に差はあるものの、必ず時 間経過と共に治っていきます。
顔面神経麻痺が発症する以前の正常な顔になる方も多いのです。
しかし残念ながら症状が重く、後遺症が出てくるのも現実です。

後遺症状

  • 患側の眉毛が挙がらない
  • 瞼が落ちてくる
  • 表情を作ると目が小さく細くなる
  • 表情を作ると顔がグニャッと歪んだようになる
  • 口角が上がらない
  • 黙っていてもほうれい線に差がある
  • 患側の顔が重い、硬い、突っ張る
上記のような症状です。

発症初期の段階から目と口が同時に動かないように鏡を見ながら注意して、顔の運動をこころがける。

  • 顔のマッサージをこまめに行う(やり方は基本的にはシワと垂直方向に伸ばす)
  • 顔に強いマッサージや顔全体が動くような電気をかけない
  • 笑ったり緊張した表情をしたあとはマッサージをする
  • あくびをしたり食べたりした時に目が細かったり閉じているようなら、もう一度意識して同じ動作を行い癖をつけない。

これは医師の間でも、施術者の間でも、また顔面神経麻痺治療経験によっても、さらに 個々の患者のケースによっても、違った意見が出るように思います。
手術については、医師の本音ではあまり手術を勧めていないと思える事例を何度か経験しています。

顔面神経麻痺で手術と言った場合に、違った意味で2種類の手術があります。
1. 発症初期の重症度で手術を選択する場合
2. 顔面神経麻痺発症から半年もしくは1年以上経ち、後遺症による顔の歪みに対して美容整形的に手術を選択する場合です。

1と2の二つのケースでの私の考えは顔面神経麻痺症状の状態によって、顔面神経麻痺発症前の元の状態により近づくなら、その手術選択はあると考えています。
これは、技術レベルと、手術のリスクを抜きで語るとすればです。

ただし、顔面神経麻痺発症当初から当院を受診された方で、1と2の両ケース共に、手術をされた方は一人もありません。

顔面神経麻痺になって数年経って、当院を初めて来院された方の中には、1と2の両方のケースの方がおられました。
これは手術されても尚、満足出来ないことの現れでしょうが、少しでも良くなるなら当然のことと思います。

私が今まで鍼灸施術を行ってきた経験では、例え重度の患者様でも、手術をせずとも、見た目は判らない程度までほぼ全ての症例で改善していると思っております。

発症当初から比べれば、鍼灸施術によって雲泥の差に改善されるのは、見た目だけではありません。評価点数上からもはっきりと現れます。

私の鍼灸師としての長い経験の中で、美容整形で一度相談してみて下さいとお勧めしたケースが今年になってあります。 この方の場合、当初の顔面神経麻痺評価点数が4点と重度で、そのわりに精勤には来院されず、また施術姿勢も耐えられない面があり、一定の時間が経過してしまった患者様です。現在の顔面神経麻痺評価点数は30点。見た目は大変良い状態なのですが、患者様がと言うより、私自身が状態に不満で相談だけでもと言ってお勧めしたのですが、相談に行かれた美容整形の医師からは、「ここまで良くなっていて、手術をする必要はない。鍼灸でここまで良くなることに驚いた」このような説明をされたようです。

以下に当院の患者様で、手術をしなかった3つの症例を上げます。

さらに、現在施術中の方の例ですが、顔面神経麻痺評価点数は重度の方です。
特に口の歪みが目立ち、5ヶ月間口の歪みに目立った改善が見られませんでした。しかし発症6ヶ月めから急激に口の歪みが改善され、後遺症状もあまり出ておらず、珍しい改善経過をたどっています。
この症例を挙げたのは顔面神経麻痺の手術の一つの目安が発症後6か月というのがあるからです。この症例のように6か月過ぎて筋力低下も見られず、急激に良くなる例として挙げたものです。

しかし施術者としては、例え見た目が分かりにくいまで改善したとしても、機能面で後遺症が出れば、忸怩(じくじ)たる思いになります。

顔面神経麻痺が発症する以前の顔の状態に戻したい。それが施術者としての当然の思いです。